自作パソコン
パソコンを自作する
皆さんはパソコンを組んだことはありますか?それともこれから作ろうと検討していますか?今回はパソコンを作る際の基準について紹介します。
1.用途
まず、パソコンを作る際は、用途を決めてから作り始める必要があります。用途がない場合はある程度のスペックを盛り込む必要があります。用途としては
・動画編集をしたい
・音楽制作をしたい
・本気でゲームがしたい
などです。それぞれ解説していきます。
2.パーツ選び
もちろん、用途が違う場合はパーツも変える必要があります。例えば、マザーボードやCPU、GPUやメモリなどがあります。これらは、一つだけ性能が良いものを買ったら価格が高くなるだけで、一つだけ性能が低かったら性能が十分に引き出せない場合があります。
CPU選び
CPUは作業に応じて買う必要があります。もちろん、新しい方が性能は良いですが、価格が高かったり対応しているマザーボードが少なかったりします。
いろいろな人がアクセスしたり長時間動かし続けるのであれば個人サーバー用のCPUをおすすめします。Intelであれば「Xeon」、AMDであれば「Threadripper PRO」などです。これらは長時間駆動だけでなく、性能もそれなりに高いものとなっています。
動画編集や重いゲームなど重い作業を行うのであれば、性能が高いCPUを買うことをおすすめします。Intelであれば「Core i9」、AMDであれば「Ryzen 9」です。もしテロップなどを大量につけ、普通のパソコンで5時間くらい書き出しに時間がかかるような重い動画編集ではコア数が多い「Threadripper」をおすすめします。
とても重い作業を行うわけではなく、軽めのゲームや動画編集を始めてやってみるなどの用途である場合はコスパが高いCPUをおすすめします。Intelであれば一般的には「Core i7」や「Core i5」、AMDであれば「Ryzen 7」や「Ryzen 5」などです。しかし、Intelの1番新しいCPUであるAlder Lakeでは「Core i3」も性能が十分に高いため、最新の「Core i3-12100」などもおすすめできます。
コスパを抑えたい、10万円以下に抑えたゲーミングPCを組みたいなどの用途には価格が低いCPUをおすすめします。ブラウザ作業などしかしないようなものでは廉価のCPUもおすすめです。IntelであればゲーミングPCには「Core i3」、ブラウザ作業などは「Pentium」や「Celeron」などをおすすめします。AMDでは「Ryzen 3」や「Athlon」などがあります。性能があまり高いわけではありませんが、価格の割に高い性能を発揮できるため、中途半端に組まれたPCよりは性能が高いと思います。先ほど記述した「Core i3-12100」は、前世代のCore i5並みの性能を発揮できるため、動画編集などにも向いていると思います。
マザーボード選び
マザーボードはCPUのソケットにあったものを選ばなければなりません。誤ったものを購入してしまうと使用できないので注意が必要です。
CPUのソケットは公式サイトに掲示されています。Intelなら「パッケージの仕様」の「パッケージ」に、AMDなら「仕様」の「パッケージ」にあります。
ここに書かれているものと同じものが対応するマザーボードを選んでください。AMDは初代Ryzenからソケットが変わっていないので、AM4と書かれたマザーボードを購入すれば大体のものは使用できると思います。一方、Intelは世代によってソケットが少しずつ違うため、要注意です。現在の最新であるAlder Lakeは「LGA 1700」というソケットに対応しています。一方、Rocket LakeとComet Lake(第10世代)は「LGA 1200」となっています。
また、オーバークロックという、CPUの速度を早くして処理を高速化する方法を試してみたいという人もいると思います。その場合は、Intelであれば必ず「Z」というチップセットのマザーボード、AMDであれば必ず「X」か「B」というチップセットのマザーボードを購入する必要があります。
ストレージ選び
パソコンにとって、容量というものはとても大切なものになります。これがなければ、OSさえも入れることはできません。
ストレージは主にHDDとSSDがあります。これは用途に分けて使用することをおすすめします。
まず、HDDについてです。これは主に大量のデータを長く保存するときに使用することをおすすめします。HDDはハードディスクとも呼ばれ、中にディスク型の保存装置がはいっています。CDと同じようなものです。特徴としては保存に時間がかかりますが、その分価格に対する容量が安いです。近年は1TBから28TBまでのモデルがあります。
次に、SSDについてです。これは普段使用するデータを保存するために使用します。特徴は、データの読み書きがとても早く、大きさがとても小さいということです。一方、価格に対する容量がHDDより大幅に少ないです。
おすすめはSSDです。特に、1番小さくて読み書きが早いM.2 SSDです。近年やっと主流になってきたSSDです。
メモリ選び
メモリは、自分が組むパーツに合わせて組む必要があります。2021年に出たAlder LakeはDDR4とDDR5という規格に対応しています。一方、Broadwell(第5世代)の一部製品からRocket LakeまでとRyzenの全シリーズはDDR4に対応しています。このように、CPUによって使い分ける必要があります。
また、マザーボードにも合わせる必要があります。Alder Lakeに対応したマザーボードには、DDR4モデルとDDR5モデルの2種類があり、それぞれに互換性はありません。
メモリ選びは、規格に合わせるだけでなく、その速度についても違いがあります。同じDDR4でも、DDR4-2133やDDR4-2400、DDR4-3200などさまざまなものがあります。これはメモリのアクセス速度に関するもので、数字が大きいものほど速いものとなっています。DDR5にはDDR5-3600やDDR5-4800、DDR5-5200などがあります。DDR4とDDR5で速度が同じものがありますが、DDR5メモリの方が1.5倍近く速いそうです。
メモリが速いメリットとしては、ゲームなどのカクツキが少なくなったりCPU処理が速くなったりします。
メモリには、容量がそれぞれ決まっています。4GB、8GB、16GB、32GBなどです。マザーボードによっては、メモリスロットが1スロットだったり4スロットだったりとさまざまです。おすすめは、8GBのメモリが2枚か4GBのメモリが4枚あれば問題ないと思います。
グラフィックカードは、必要な人と必要でない人がいます。
必要な人は、組んだパソコンでゲームをしたり、重い動画編集をしたりする人です。ゲームの中でも、特にAPEXなどのFPSゲームやELDEN RINGなどの重いRPGなどが当てはまります。そうでなくても、ゲームをする人であればあった方がいいです。
必要でない人は、ネットサーフィンをしたりちょっとしたオフィスワークなどをしたりする人だと思います。このような場合、CPU選びに注意すれば問題なく組むことができます。
グラフィックカードにはいくつか種類があります。エントリーモデル・下位ミドルレンジ・上位ミドルレンジ・ハイエンドです。それぞれ説明します。
エントリーモデルとは、一番下の廉価GPUという位置づけです。位置づけは廉価ですが、ゲームには問題ないレベルの性能を発揮できます。GeForceではGTX 1650~GTX 1660までが入ります。RadeonではRX 6400~RX 6500XTが入ります。APEXでは最高設定でも60FPSほどが発揮できるため、問題はないです。
下位ミドルレンジとは、レイトレーシングを使用しないけれどゲームは少し滑らかにプレイしたいという人やある程度の動画編集をしたいという人向けです。GeForceではGTX 1650 Ti~GTX 1660 Tiが入ります。RadeonではRX 6600が入ります。ゲームでは問題なく60FPSが出て、最低設定では300FPSを超すこともできるものとなっています。
上位ミドルレンジでは、レイトレーシングを使用してゲームをプレイしたいという人や重めの動画編集をしたいという人に向いています。GeForceではRTX 3050~RTX 3060 Tiまでが入ります。RadeonではRX 6600 XT~RX 6700 XTまでが入ります。レイトレーシングを使用したうえで最高設定でもAPEXでは60FPSを余裕に超えるほどの性能が得られるものとなっています。
ハイエンドは、ゲームで0.1秒を争うような場面が多々ある人やテロップが非常に多い動画を編集する人などに向いています。GeForceではRTX 3070~RTX 3090まで、RadeonではRX 6800~RX 6900 XTまでが入ります。最上位のGPUではFortniteで900FPSを超すこともできるような性能であるため、カクツキなどを心配する必要性がまったくなくなります。RTX 3090はAppleの最強SoCであるM1 UltraよりもGPU性能は高いため、そのような処理がたくさんあるのであれば購入を検討してもよいものだと思います。
GPUが必要でない人は、CPUを注意して選ぶ必要があります。CPUにはiGPUという内蔵GPUが入っています。これを使用することで問題なくパソコンが組めるのですが、これが内蔵されていないものがあります。IntelであればCPUの型番の末尾に「F」がついているものはiGPUが搭載されていません。AMDであれば、型番の末尾に「G」という文字がなければiGPUが搭載されていまん。この点については注意が必要です。iGPUでは、基本的にはゲームには厳しいですが、動画編集はできるほどです。RyzenのGシリーズでは、APEXの最低設定で40FPSほどは出ます。
電源選び
電源は、電力出力の値に注意が必要です。一番安く、CeleronとGPUなし、メモリは4GBで組む場合は400Wほどで足りると思います。一方、CPUを高性能なもの、GPUは上位モデルを使用し、メモリは大容量という人は注意が必要です。
例えば、Intelの最上位CPU「Core i9-12900K」を使用する場合、ベースの消費電力は125Wと書かれています。一方、最大消費電力は241Wと書かれています。そして、オーバークロックをする場合はさらに消費するため、330Wくらいを消費します。つまり、CPUだけで330Wを消費することになります。
また、NVIDIAの最上位GPU「RTX 3090」を使用する場合、フル活用した際の消費電力はだいたい350Wになります。
このように、最上位のものをたくさん集めたパソコンを組むと、全体で800Wを超えます。この場合は1000Wの電源を導入することをおすすめします。
おおよその電力をインターネット等で調べた上で電源を購入することをおすすめします。
CPUクーラー選び
CPUクーラーは、主に2種類あります。空冷を水冷です。それぞれ説明します。
空冷は、ヒートシンクとファンで構成されています。CPUからの熱をヒートシンクに伝え、ファンで取り込んだ空気で冷やす仕組みです。特徴としては、水冷より安く、組みやすいです。
一方、水冷はヘッドとラジエーターで構成されています。ヘッドはCPUの上につけるもので、ラジエーターはケースの上・前・下のいずれかにつける、冷却水を冷やす装置です。
まず空冷の選び方についてです。空冷は基本的にCPUについてきます。IntelであればRM1・RH1が、AMDであればWraith Stealthがついてきます。これらは、ミドルレンジ・ミドルハイのCPU(Core i5 / Core i7 / Ryzen 5 / Ryzen 7)であれば冷やすことが十分できます。一方、ハイエンドモデル(Core i9 / Ryzen 9)やサーバー向けCPU(Threadripper / Xeon)は発熱が大きいため、冷却が完全にできず十分な性能が引き出せない可能性があります。おすすめの空冷クーラーはSCYTHEの「虎徹 Mark II」や「MUGEN5」などがおすすめです。
次に水冷の選び方についてです。これはCPUの発熱量によって買えた方がいいです。ミドルレンジ・ミドルハイであればラジエーターのファンが1つや2つのものを選んでも十分に冷やせると思います。一方、ハイエンドモデルはラジエーターが2つまたは3つを選ぶことをおすすめします。特に、Core i9-12900Kでオーバークロックをするような発熱が大きいことをするのであればラジエーターファンは3つがいいと思います。水冷クーラーをあまり知らないので、商品をおすすめすることができません。
PCケース選び
PCケースは、すべての部品を考慮する必要があります。水冷クーラーを選んでいるのであれば、間違いなく大きめのクーラーを選ぶべきです。また、3連ファンのグラフィックボードを選ぶ場合も、横が大きいケースを選ぶべきです。
もしグラフィックボードを搭載せず、リテールクーラーで組むなら、幅がコンパクトなケースを選んでもいいと思います。
OS導入方法
OSは、一般的にはWindowsを入れると思います。今回は、WindowsとLinuxの入れ方について説明します。
Windowsは、主に入れ方が2つあります。
一つ目は、インストールディスクを作成する方法です。これには、別のWindows 7以上が動くパソコンと8GB以上のUSBドライブが必要です。
まず、公式サイトからWIndows 11またはWindows 10のisoファイルをダウンロードします。「https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download」
次に、このファイルを展開し、中の「Setup.exe」というファイルを起動します。すると、インストール用のアプリケーションが起動します。
起動すると、次にUSBをパソコンに挿します。この時、中にデータがある場合は全部別の場所に保存した上で、NTFSでフォーマットしてください。
インストール用アプリケーションに従って、進めてください。設定は、USBインストールを選択し、64bit用を選択してください。32bitか64bitかの選択は、Windows 11にはありません。また、管理者アカウントでない場合は進めることができませんので、ご注意ください。
これで、インストールディスクの作成は完了します。
二つ目は、インストールディスクを購入するという方法です。自作パソコンのパーツショップなどでは、DSP版というインストールディスクを販売しています。また、インターネット上にはWindows10ですがパッケージ版というものもあります。DSP版とはパーツとセットで購入できるもので、他のパソコンには使いまわせないものとなっています。一方、パッケージ版とはインストールディスクのようなもので、いろいろなパソコンに使い回すことができます。
それぞれ、USBのものとディスクのものがあるので、順に説明します。
USBのものは、組んだパソコンに挿し、BIOSの設定をUSBから起動にすることでインストールを始めることができます。
一方ディスクのものは、ディスクドライブがパソコンにある場合は直接挿入することで使用できます。もしディスクドライブが無い場合、USB接続のディスクドライブ等を使用する必要があります。
インストールはは、主に手順が5つあります。
まず最初に、ディスクを挿入します。
次に、BIOS(UEFI)をパソコンの電源に入れた直後にF12 / 10 / F2のいずれかを連打で起動(メーカーによって異なる)します。
起動できたら、Bootという項目からBootの順序を選択し、USBに挿している場合はUSBを、ディスクドライブに入れている場合はDVDドライブを1番上に持ってきます。
これが終わると、Save and Exitという項目で保存します。
もう一度パソコンを起動すると、Windowsのインストールが立ち上がります。
これでインストールすることができます。
まず、インストールしたいLinuxを公式サイトからダウンロードします。
次に、Rufusというアプリケーションをダウンロードします。「https://rufus.ie/ja/」
そして、インストールしたいUSBドライブを挿し、Rufusを起動します。
RufusでUSBを選択し、ディスクイメージをダウンロードしたファイル、ターゲットシステムを「BIOSまたはUEFI(無い場合は、UEFIという文字が入ったもの)」を選択、ファイルシステムは「NTFS(推奨)」を選択します。
そして、スタートを押し、しばらく待ちます。
処理が終わると、ディスクが完成します。