プロセッサー対決
Intel vs AMD vs Apple vs Qualcomm
AppleがIntelプロセッサーから自社シリコンに移行すると発表しました。それに伴った対決とは。
今回取り上げたCPUは以下の表の4つです。なお、今回の対決はベンチマークのみですので、実際の検証結果と異なる場合があります。なお、Snapdragon 8cx Gen 3はリーカーが投稿した結果ですので、実際にはもう少し性能が高い可能性があります。
CPU名 | CINEBENCH R23 シングルコア | CINEBENCH R23 マルチコア | Geekbench シングルコア | Geekbench マルチコア | iGPU FP-32(単精度GFLOPS) |
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Intel Core i7-1185G7 | 1538 | 6264 | 1578 | 6102 | 2070 |
Intel Core i9-12900HK | 1837 | 16555 | 1754 | 12662 | 2223 |
Intel Core i9-12900K | 1997 | 27472 | 1990 | 17595 | 794 |
Intel Xeon-W 3275M | 1107 | 28051 | 1096 | 17196 | N/A |
Intel Xeon W-3175X | 1112 | 31350 | 1153 | 23465 | N/A |
AMD Ryzen 7 5800U | 1478 | 11203 | 1414 | 8047 | 2048 |
AMD Ryzen 9 5900HX | 1478 | 13875 | 1488 | 7854 | 1946 |
AMD Ryzen 9 5950X | 1651 | 28641 | 1657 | 16942 | N/A |
AMD Ryzen Threadripper 3975WX | 1244 | 43450 | 1260 | 25211 | N/A |
Snapdragon 8cx Gen3 | N/A | N/A | 1010 | 5335 | N/A |
Apple M1 | 1503 | 7759 | 1742 | 7650 | 2610 |
Apple M1 Pro 10コアCPU 16コアGPU | 1536 | 12390 | 1768 | 12570 | 5300 |
Apple M1 Max 32コアGPU | 1562 | 12402 | 1783 | 12693 | 10600 |
Apple M1 Ultra 64コアGPU | 1562 | 13566 | 1793 | 24055 | 21200 |
まず注意点ですが、CINEBENCHはWindows寄りのベンチマークであるためにmacOSでは少しスコアが劣っています。Intel, AMDのCPUを比較する際のみに使用します。GeekbenchはCINEBENCHほどスコアの差がないため、AppleやQualcommのSoCとx86 CPUの比較に使用します。
この結果を見ると、CINEBENCHではCPUスコアはGeekbenchでCore i9とRyzen 9が1万7000点ほどです。一般ユーザー向けのWindowsパソコンはこれくらいの性能を果たすことになります。
そして、Macの最上位という位置づけであるMac ProはXeon W-3275Mを搭載していますが、Core i9やあRyzen 9と同じ程の性能を叩き出しています。
モバイルCPUを見ると、GeekbenchでCore i9とM1 Maxが1万2000点とほぼ同等の性能です。一方、モバイルRyzen 9は7000点と、少し期待外れな性能です。Core i9が14コア20スレッドに対し、Ryzen 9は8コア16スレッドと少し少ないためと、Intelが新たにAlder Lakeアーキテクチャーを採用して省電力化を測ったためと見られます。
QualcommのSnapdragon 8cx Gen 3は現在のCore i7に少し劣る性能となっています。Core i5は超えているような性能であるため、一般ユーザーには十分な性能となっています。Windows 11にはx86互換があるため、今後検討してもよいものとなっています。
Appleと比較すると、M1の性能はCore i7がCPU・GPUともに少し劣る性能ほどで、Ryzen 7がマルチ性能で少し上回るものとなっています。
また、M1 MaxにはCore i9-12900Kは性能面では上回っていますが、iGPU性能では約13倍の性能となっています。しかし、Core i9-12900Kを購入するようなユーザーはだいたいRTX 3080 Tiや3090などを購入することが多いので、さほど心配することのようではないように思えます。
M1 Ultraを見ると、M1 Maxと比較して性能はほぼ2倍となっており、Core i9などでは太刀打ちできないものとなっています。これと同等性能のCPUはAMDのRyzen Threadripper PRO 3975WXとなっており、CPUのコア数がM1 Ultraは20コアに対してThreadiripperは32コア64スレッドとなっています。Xeonで最高性能を誇るIntelのXeon W-3175は2万3000点と、少し劣るものとなっています。
今後のCPU
今後は、AppleがMac Pro用にMシリーズ、または新たなSoCの発表を行うものと見られています。これはM1 Ultraを更に超える40コアを搭載されるという噂がされており、Geekbenchの予想スコアは5万点となっています。
IntelはSapphire RapidsのXeonを投入すると見られていますが、流石にMac Pro用のSoCを上回ることはできないものと見られます。
また、AMDはZen3世代のThreadripperを投入するかどうかがまだ定かではなく、今後投入されない可能性も十分にあると思います。
M2シリーズについてですが、6月のWWDCか10月のApple Eventに発表される見通しだと言われており、その性能に期待が高まります。
QualcommはCore i3やCore i5と同じようなミドルレンジ帯のSoCを今後も投入するとされています。しかし、Qualcommの幹部が「M1に必ず勝つ」と言及したことから、8cx Gen4などでCore i7やRyzen 7のようなミドルハイのCPUに対抗するものを投入する可能性もあります。
Intelは今後Core i9-12900KSを投入すると言われていますが、性能が10%向上するかどうかであるため、あまり意味はないのではないかと思います。これはもともとRyzen 9のSD V-Cacheが投入されることを危惧して投入されるものとなっていたため、存在価値はあまり高くありません。オーバークロック耐性は強いものとされているため、オーバークロッカーには最適のCPUとなりそうです。